ビックタンク計画

岩手の千葉氏より譲ってもらったタンクを、いよいよXL500S用に改造していきます。

右側面を破損していたタンクを、まずはマウントの改造に着手
した後に、側面の修理をしていきます。

この頃では、既にタンクの貼り合わせは機械で溶接されていま
すが、昔は手作業で溶接したその合わせ目を、剥いで中から
ひこんだ部分を叩き出したそうです。

漏れとか強度的には現在の手法が一番良いのかもしれませ
んが、修理という点においては昔の方が簡単だったようです。
(栗沢ホンダモータース談)
タンクステーに付いているタンクラバーの接するリング。溶接されていたものを取り外してみたところ。


単純なワッシャーでなく、一枚の板を曲げているのが分かる。
XL250Rシリーズのタンクの固定用穴はご覧のとおり、右側にオフセットされています。

このままでは、XL500Sには装着出来ません。
タンクステーに鉄板を溶接し、あらためて穴を開けなおし、マウント用リングをスポット溶接したところ。
上面から見た場合。

フレームにはスポンジゴム3.5cmをセットして、その上にタンク
を固定します。
今回一番難儀した工程。

リングやらマウント用金具を作り始めた頃のものです。

中央部のベースとなる鉄板に角度を計算した図面を書き込み、マウントステーを作成したところ。
具体的にはこの難儀した跡。

角度の設定に苦労してます。

いかんせん測定しにくい箇所につき、思うようには進んでいき
ません。
この段階では単純にU字型になっていますが、このままではタン
クがキチット納まりません。

つまり、気持ちV字型でなくてはなりません。
タンクが奥に圧入されていく中で、マウントゴムに圧力がかかる
ことでのタンクの安定性を出します。
当初はハンダ付けという構想でしたが、私が難色を示し反対
した為、本来のステーを半分残したうえで、それに新規ステー
を溶接するということになりました。

ちなみにタンクのこの部分は、タンクを安定させ、かつ走行中
にタンクが上に跳ね上がるのを防止する役目です。
仮溶接したところです。

この状態で一度セットしてみましたが装着出来ず、再度計測
しなおして本溶接しました。

画像では識別しにくいですが、首廻りをハンマーでたたきフレ
ームとの干渉を調節してます。
これが本溶接が済んだところです。

首廻りを叩き過ぎた訳ではありませんが、青色の塗装が剥げ
てしまいました。

計算外のダメージでした。
凹んだ右側面は引っ張りだしてパテを塗ってます。

この後塗装しました。
塗装終了。

パリダカの赤とXL500Sの赤は赤みが違う為に、XL500S
の赤色に合わせて塗装しました。

首廻りの青色も色あわせをして、目立たなくしてます。
面倒でしたが、艶消しの青です。

タンク裏側は全面赤を塗って、錆対策もしておきました。

フレームと干渉しそうな箇所は、スポンジゴムを貼り付けて
おります。
ここで脱線して、タンクの錆取りの作業になります。

タンク底の赤錆が見えるかと思います。

また。タンクの口も錆びていました。

実はこのタンクは、口元になぜか2cmばかりの鉄板が付いて
います。
これが洗浄工程の排水等に邪魔をして、中々抜き取る事に
支障をきたしていました。

他車はこんなのありませんよ。
減速時のガソリンの移動するがゆえの仕切り効果かなぁ・・・?

結構認知されている「花咲かG」を投入。

説明書の手順に従って、最初は5倍に薄めた溶液で6時間
底の頑固な錆びを溶かしてから、さらに20倍に薄めた溶液
を口元まで一杯に浸けて、さらに6時間待ちました。

購入してからネットを見たら、ラベルの緑色のもあるらしく、
緑色が本命で、この青色のものは効果が薄いとの記述
があったのですが、私のこのタンクでは錆びの発生は認め
られませんでした。

確かに緑色のラベルは存在しましたが、当方はその違いは
不明です。

サイト管理者のやり方が悪いのか、悪質な業者が薄めて
販売でもしていたのでしょうか?
結果、ご覧のとおり口元やタンク内の錆びは完全に無くなり
ました。
底の赤いのは錆びでなく、途中まで入れたガソリンです。

一通り錆びを取ってから、綺麗な10倍の溶液でコーティング
したのを乾燥。
入念な乾燥の為に2日間かかりました。

画像がピンボケですみません。

赤色はXL500Sのオリジナルカラーにしました。

ウイングマークは純正がもうありませんので、汎用品を貼り付
けます。

羽の部分の茶色が左右色が違ってました。

PARIDAKAステッカーも当然ありません。
汎用品もオークションにありますが、あまりに高額にて貼るのは
やめました。

タンクの青色の部分は、新車時は青の艶消しですが、部品
単品の場合は青色の部分は艶有りで送られるとのことでした。
 (千葉氏談)

このタンクは新車時のタンクですので、艶消し仕様です。
ビックタンク設置に伴い、純正プラグレンチ(右)がタンクに干渉してプラグに挿入出来なくなってしまいました。

純正レンチを加工しようかと迷っていたところ、ネットで見つけた
3サイズのショートプラグレンチ(左)です。

長さ 右100mm。 左73mm。
もともとは、ハーレー用のもののようです。

315円と、加工よりは楽ですので・・・・・。 

ふぅ〜っ、とりあえず何とか格好がつきました。

時間がかかるわりには、中々作業が進みませんでした・・・・・・。  


● タンク改造にご協力戴いた方達
   岩手県奥州市 千葉さん
   栗沢ホンダモータース さん
   ヒヤマ自動車板金塗装 さん