モトラ改造編
いよいよ北海道ツーリングでの体験を元に、最小限の投資で、日常レベルでの走りの向上をテーマに、迷路に踏み込むことにする。
まずはツーリングマシンとしての問題点。
@ なんたってパワーとトルク不足。 坂道ではバックミラーを見ている時間が多かったような? 諸元表参考
A 照明類の暗さに加え、予備コックも無い。ガソリンメーターに、照明が無いのでガス欠が心配。 B 純正タイヤを装着したが、雨では以外とコーナーで滑る。(後輪荷重のせいか、前輪の滑り出しが早いよう
な?)
C 過積載時のS字や、街角の切り替えしに遅れをとる。
D メインスタンドで正立している際、後輪が地面に接していてパンク修理がやりずらい。
対策における現状と課題。 画像へ
@ パワー・トルク不足について
シリンダー交換編
DAX70のパワー感が記憶に有り、まずはコストの面からもやるなら70ccと決めていた。 そんな折、シャリイーのE/gを見つけポン付けが出来るものと、簡単に考えて一念発起。 やっとやる気になって今回のパワーアップ計画となったのである。 (実際はクランクに種類があったり、チェーンライン、キャブの格納スペースの問題がある事等、何も考えつかなかった時期での話。)
まず考えていたことの手始めは、シリンダー周りの交換という事で、まずはシャリーのヘッドとピストンを分解。 その後モトラのヘッドとシリンダーを取り外す。 モトラにシャリーのE/gを載せて、周辺パーツを組み込み、一気にキック。 「トットットット・・・・ッ!!」と軽やかな音とともにまずは第一ステージは無事に終わる。 (ここらの手順はモンキーを扱ったHPを参照して下さい。)
では試乗ということで、北海道で痛い目にあった坂道も考慮した試乗コースを設定して、ヘルメットをそそくさと被りいざ出発。 町内を走り初めすぐ感じたことは、何かあんまり変わらないぞ? ん〜ん、これだと僅かにトルクアップした程度かなぁ〜と思いつつ、直線2キロのステージに期待して走っていく。
ようやく直線道路にたどり着き、早速全開走行を試みる。 スピードメーターは一気に50キロまではすんなり出たものの、それからはじわじわとしか伸びず、結局55キロ位しか出ないで終わっしまった。 坂道についても殆んど北海道と似たようなもので、成果もたいして得られず惨敗ということしか脳裏に浮かばない状況であった。 ノーマルの50でさえ改造前は60〜65キロは北海道で荷物も積んでいる状態で出ていたのに、空荷の状態でこれじゃ〜改悪そのもの。 まずはがっかりして本日のテストを終えることとする。
カムシャフト交換編
その後一週間もの間、原因は何かと色々マニュアルを調べてみたら、シャリーのカムシャフトは、カブとかDAX70とは、バルブの開閉時期がまるっきり違っているのが分った。 しかもおまけに驚くことにパワーダウンしてるじゃないか・・・。 また、カブの50も70も同一のカムシャフトを使用して、モトラと共通であることも分り、早速シャリーのカムを取り出しモトラのカムをシャリーのヘッドに入れてテスト走行。 さ〜てと、んっ? 前よりは格段に中低速のトルクの厚みは増している感じ・・・。 これだと直線も期待出来そうとはやる気持ちを押さえつつ、いつものコースに到着。
では全開と、車速を伸ばしていくと、またもや例の55キロ付近より頭うち減少で速度が伸びない・・・? スロットルはまだ半分以上余裕があるのに何故・・・・? それじゃー坂道はどうなんだとそのまま登っていくと、前回とは違って今度はかなり楽に登っていくではないか。 55キロ以下だったら、まあまあの走れるレベルの感触も得て、トルク的には納得出来てきたが速度がまだ壁に当たっている。 さてさてどうしたものか・・・・・。 【・_・?】ナンデ
メインジェット交換編
またも一週間後(定休日しかいじれないので週間単位になってます)、思いついたのはメインジェットの番数が低く、ガソリンの量が中域の回転域を境に追いつかず、リーバーン状態でまだまだE/gとしては回せる回転なのに、燃料不足でE/gが回らないのではと考えた。 そこで今度はメインジェットをモトラノーマルの番数#65からカブ70の標準#75に交換。 早速テストに出かけ全開走行でなんとか58キロ強は出ただろうか。 若干の効果はわずかではあるものの、変化が見出せた。
マフラー抵抗編
これまで入り口をメインに考えてきたが、いっこうに改善されない。 それじゃ〜排気かと疑ったのはマフラー。 きっとさぞかし排気抵抗があるものと、まずはマフラーの解剖をすることとした。
タイコの中は、なんと3室に区切られていたけれど、排気抵抗は構造上認められるものではなかった。
エキパイ抵抗編
最後の問題。それはエキパイの細さにあると考え、いっそDAX70のマフラーでも付けようかと思っていたら、ヤフーで中古のマフラーが売られていたので発見して、早速購入。 手にしたものは、モンキー用の武川の「ストリートマフラー・ボンバー」なるもの。 家に届いてから二週間、やっと時間が作れて作業に入る。 モンキー用だから、結構取り付けに難儀するかと思いきや、あっという間に装着。 しかしエキパイはノーマルの3倍もあろうかと思われるくらい、かなりごつい様子。(これだときっきスカスカだ〜っ)
さぁ、これではどうかとキックしたみたら、「バゥウォ〜ン!! バッバッバッ!!」と、なんとも迫力ある豪快なサウンドであろうか。 半信半疑で、いつものコースへ。 アクセルをひねると今までとはまったく違うサウンドを響かせ、メーターの針は上がってくる。 「おっいいぞっ!!」と思うまもなく、いつもの55キロはすんなり通過。 60キロも楽々超えて、65キロまでは一気に伸びてきた。 それからはジワジワとながらも、伸びは止まらず結局メーター読みで70キロをマークした。 その後、坂道へも挑戦したが楽々と登っていき、想像していたDAX70の世界にやっとたどり着いた感じ。 費用を最小限にとやってきたことではあるが、このパワーアップ計画も終わった訳でもない。 メインスタンドの加工、キャブのセッテングと口径をアップすべきかの問題もあるけど、現時点でのミニマムとしてのパフォーマンスの手ごたえは感じた。 さぁ、またこいつと今度は何処に行こうか・・・・。
注、シャリーの50と70はクランクの部番が違っています。
厳密にいえば、クランクシャフトの触れが将来発生する可能性があることを、付け加えておきます。
一時的に問題なく動いているようであっても、爆発振動を回転でごまかしているにすぎません。
A ガソリンメーターの照明について
素材決定
永久動作的で、消費電力も微弱な発光LEDに決定。
これだと、かなり明るくガソリンメーターを照らしてくれそうだ。
配線と動作
当初は配線保護の観点で、スパイラルチューブも検討したが、かなり仰々しくなりそうなので断念し、エーモンから出ている配線保護用のゴム管(加熱すると縮む)を付け足しながらライトケースの中のギボシまで引っ張っていった。 尚、電源については、モトラにはポジションライトが装備されているので、ここを電源供給の箇所として、見たいときに点灯する方法に決定。
先般、第一段階の取り付けはしてみたものの、もう少し目立たないレベルに再度検討中。
というわけで、ようやく完成しました。 2001/02/28
前回、タンクカバーの上に装着していた為に、悪戯してくれと言わんばかりに目立つし、ちょっとした荷物も置いたりするのに邪魔でしたが、今回はカバーの下からGメーターに直接取り付けたので一見しただけではLEDの存在すら分らないと思います。
もちろんLEDは、カバーの高さを超えない状態となる事で、荷物も置けるようになりました。
ちなみに、材料は廃棄されたテレビに付いていたLEDを利用。
尚、ヘッドライトそのものを純正6V25/25Wから、6Vハロゲン35/35Wに替えたらかえって暗くなりました。(泣)
装着したのは、M&Hマツシマ製PH−8バルブなるものでした。
注意書には、「原付に純正球以上のワット数の電球を使用すると暗くなることがあります・・・・。」
表書きには、6Vの原付、オフ車、小、中型車などとあったのに・・・・。 (゚O゚)☆\(^^;)
バキ!
残念ですが、これはXL500Sへ使用します。
B タイヤの選択肢が狭すぎる。
最近ツインリンク茂木まで行って、R&Pのタイヤも参考にしたが、今ひとつ納得出来ない状態です。
この手の原付は、ブロックパターンが主流で、リブパターンの数はしれたものかもしれません。
他社の車種も考慮して、再度探しております。
実際のところ、過積載でなければ意外とそこそこグリップしてくれているので、ライダー含みの荷重バランスが最大の問題。
C 切り替えしの反応遅れ対策。 (裏付けは乏しいけど・・・。)
つまり荷台にボックスを装備する事で、荷物(バック・BOXの中味・サイドバック)らの、全体の重心位置を18センチばかりを移行させるというものです。 結果的にはアバウトではありますが、体感的には良くなったかと感じております。
昔のBMWのボクサーに見られるように、低重心ユニットのもたらす安定性(砂地とか砂利、また泥の深い路面において、ハンドルや車体のフレ)には、かなり安定した(実際は挙動に対する反応遅れ)点があげられますが、路面が固いアスファルトでは定重心のデメリットが台頭してきます。
国内の重量車の殆んどがDOHCを採用していますが、DOHC化することで高重心となり、S字における切り替えしが軽く感ずる訳なのです。 理想的荷重比率は、ライダー乗車時で5:5が理想なのですが、モトラだとあらあらであっても、いいとこ3:7というところでしようか。
荷重比率はどうしようもありませんが、せめて反応遅れの改善としての意味あいということです。
D パンク時対応・組立式簡易スタンド完成。
後輪が接地してタイヤの脱着に手間取るということは、ツーリストとしてリスクがありすぎる。
そこで考えた軽量かつ廉価な後輪持ち上げ簡易スタンドなるもの。
ホームセンターで見つけたパイプと、それに付随するパーツに多少手を入れることで完了。
総費用¥475の世界に一個のSSTです。 (笑) 2001/02/28作成。 その後、埼玉のOOさんも作成したとのことでした。
※ 実はこんなことも・・・・・・。
2001年秋についにマフラープロジェクト製作のオリジナルマフラーを入手。 ステンのエキパイにアルミのサイレンサーと雰囲気はバッチリ。 ボンバーよりはず〜と大人しいデザインということになるのかな?
欲をいえば高回転域に対して、エキパイをもう少し太くしてくれたらと感じました。
後純正アクセサリー用品、復活プロジェクトに参加させてもらい、フロントバスケットも装着。 普段走るのに前カゴではあまりに目立ちすぎるので、替えてしまいました。
但し、MOCからは「前カゴのないりちゃあどモトラでは・・・・・」と、あまりウケ?は良くないみたいです。
早矢仕製キャブ18パイ装着の件は、失敗でした。
とりあえず装着を試みるものの、フロート室の出っ張りが、ヘッドに干渉してしまい、結果的にNGでした。
とりあえず、ニードルで補正しながら様子をみることとします。
Last Updated 2006.5.22
下記諸元を見ると、載せたシャリーのヘッド周りは、モトラよりパワーは落ちてトルクは上がるようだ。
シャリーのみカムアングルが違っているのが分りますね。
ということは、モトラのカムシャフトをシャリーのヘッドに載せ替えるといいみたい。
圧縮比が低くなっているのも、ちょっぴり気にはなります。
キャブのベンチュリー径もカブ70とほぼ同等。
よって、シャリーのヘッドにモトラのカムシャフト。 キャブはカブ70のメインジェットでいいのかな?
モトラのMJは、標準で#65、カブ70は#75が標準。
モトラ50 | カブ50 | カブ70 | シャリー70 | |
内径×行程 | 39.0×41.4 | ⇒. | 47×41.4 | ⇒. |
圧縮比 | 9.5 | ⇒. | 8.8 | ⇒. |
最高出力ps/rpm | 4.5/7,500 | ⇒. | 5.7/7,000 | 4.2/7,000 |
最大トルクkg/rpm | 0.48/5,500 | ⇒. | 0.66/5,500 | 0.52/5,000 |
吸気バルタイ開き | 7°(B.T.D.C) | ⇒. | ⇒. | 0°(B.T.D.C) |
吸気バルタイ閉じ | 12°(B.T.D.C) | ⇒. | ⇒. | 20°(A.B.D.C) |
排気バルタイ開き | 22°(B.T.D.C) | ⇒. | ⇒. | 25°(B.B.D.C) |
排気バルタイ閉じ | 2°(B.T.D.C) | ⇒. | ⇒. | 5°(B.T.D.C) |
ガス弁径 mm | 13 | ⇒. | ⇒. | 13 |
ベンチュリ―径mm | 13相当 | 13 | 14相当 | 12相当 |
点火時期 | 27BDTC/1700rpm | ⇒. | ⇒. | ⇒. |
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